2023.08.02

単管パイプの品質を確保する検査方法とは?!当社の取組む"非破壊検査"と"破壊検査"について。

当社は、単管パイプを含むメッキパイプを日々大量生産しております。しかし、「製品管理は本当に行き届いているのか?」と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。

そこで今回は、当社が行なっている単管パイプの検査体制についてご紹介します。

検査には”非破壊検査”と”破壊検査”の2種類があり、鋼管の品質管理や安全性評価に利用しております。それぞれの検査について分かりやすくお伝えしますので、ぜひご参考にしてください。

”非破壊検査”とは

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”非破壊検査”は、検査対象に対して破壊を伴わない方法を使用する技術です。具体例として、渦流探傷検査/超音波検査/磁粉探傷検査といった検査が挙げられます。

材料や製品の内部または表面の欠陥を評価する際に、製品等の機能や性能を損なうことがない為、品質や安全性を保つことができます。

”非破壊検査”のメリット

”非破壊検査”のメリットは大きく4つあります。

  • 全数検査が可能
  • 製品の継続的な利用が可能
  • 生産コストの削減
  • 安全性向上

まず、製品を破壊せずに調べるため、100%の全数検査が可能になります。そして、”非破壊検査”を行った製品を出荷・提供できるので、不良品を出すリスクを低くできます。結果として不良品の発生を減らせることで、廃棄物や製品の再製造に伴うコストを削減に繋がります。つまり製品や材料の安全性の確保が可能になり、製品の損傷やそれに纏る不具合や事故等を未然に防ぐことができるることが”非破壊検査”の大きなメリットです。

”非破壊検査”のデメリット

一方で、”非破壊検査”には以下のようなデメリットもあります。

  • 一部の欠陥や損傷を見落とす可能性がある
  • 内部の微細な欠陥を検出するのが難しい場合がある
  • 検査機器のコストが高いことがある

先ず”非破壊検査”は”破壊検査”よりも検査対象が多くなることがあるので、検査方法をシッカリ設計し実施しないと欠陥や損傷を見落とす可能性が高くなる場合があります。

特に製品内部の微細な欠陥については、”非破壊検査”では”破壊検査”に比べて検出が難しい場合があり、一つひとつの製品の不具合を探し出す着実性という点は課題になるケースがあります。

更に”非破壊検査”には大量の製品をスピーディーに処理する特殊な機器が必要となった場合には、費用面での負担が増加する可能性があります。

“破壊検査”とは

B.引張試験写真

“破壊検査”は、サンプリングした検査対象を破壊して、物理的な特性を測定し、耐久性や性能を評価する手法です。

”破壊検査”のメリット

”破壊検査”には、以下のメリットがあります。

  • 物理的な特性の正確な測定
  • 精密なデータ収集

実際に破壊することによって、試験対象の詳細な特性を把握できます。また、材料の強さ/硬さ/耐久性/組織といった精密なデータを得られる為、検査の精度が高くなります。

”破壊検査”のデメリット

一方で、”破壊検査”のデメリットには以下が挙げられます。

  • 検査対象が廃棄物となる
  • 製造プロセス上で検査できない場合がある

破壊が伴うため、検査対象は通常廃棄されることになります。廃棄物が発生することで、経済的な損失が生じる点を考慮する必要があります。

また、製品の製造プロセス上で”破壊検査”ができない場合があります。例えば、当社の造管ラインにおいては、鋼板を帯の状態から丸めて溶接し、洗浄してメッキする工程が連続しているので、工程の途中で取り出して検査することは極めて困難です。従ってメッキを終えた後にカットされた半製品をサンプリングし”破壊検査”を行っています。

当社が行なっている検査内容

​​上記のように”非破壊検査”にも”破壊検査”にもそれぞれ強み/弱みがあるので、当社では鋼管を製造/加工/出荷する際に、必要に応じて2つのタイプの検査を組み合わせて実施しております。当社が行っている実際の検査は以下のとおりです。

非破壊検査

当社では、3種類の”非破壊検査”を実施しております。

  • 渦流探傷検査
  • 寸法検査
  • 外観検査

渦流探傷(かりゅうたんしょう)検査とは、電磁界を利用した検査方法です。渦電流発生コイルを使って渦巻状の電流を発生させ鋼管の表面に電磁界を生成させると、もし鋼管に欠陥や異常部分があった場合には、電磁界が鋼管内部に浸透する際に変化が生じます。

そこで渦流探傷機という装置で電磁界の変化を検知して、欠陥の位置や大きさ、形状を確認する事で、鋼管の状態をほぼ全量検査する事が可能になります。

寸法検査はその名のとおり寸法を計測する検査です。具体的にはメジャーやマイクロメーター等の測定機器を使って鋼管を一本一本測定することになるので、全量ではなく必要に応じて都度検査を行う事が殆どです。

外観検査は目視で傷や曲がり等の不具合がないかを確認するものです。特に渦流探傷検査で検出できないもしく検出すると生産性を下げる場合の傷や、色や質感等の判断が難しい場合に行う検査です。

破壊検査

当社では、3種類の”破壊検査”を実施しております。

  • 引張試験
  • 扁平試験
  • 顕微鏡試験

引張試験とは、鋼管サンプルを引っ張って引張応力と変形を測定し、材料の引張強度や伸びを測定するものです。基本材料は一定の引張強度や伸びが供給メーカーにより保証されていますが、そのバラツキや製造工程での変化を含めて十分なパフォーマンスを実現できているか確認する為の検査です。

扁平試験とは、鋼管サンプルを2枚の平板間に挟み、直径方向に荷重を加えるものです。規定まで圧縮して扁平状態にした際に、鋼管の表面に割れが生じたかどうかで溶接部や素材部分を調べて評価をします。此方も引張試験と同様に、素材で保証されている性能が造管工程を通じても十分担保できているか確認する為の検査です。

顕微鏡試験とは、光学顕微鏡で確認するものです。鋼管サンプルの溶接部や亜鉛メッキ部から検証部を切り出し、表面を研磨した後に腐食液を使ってわざと腐食をうながし、状態を光学顕微鏡で確認することによって、製品の溶接部やメッキ部が良好な状態かどうかを金属組織のレベルで調べる事が可能な検査です。

まとめ

今回は、”非破壊検査”と破壊検査”について解説すると共に、当社が行なっている単管パイプの検査体制についてご紹介しました。

私たちは”非破壊検査”と破壊検査”を組み合わせ、可能な限り多くの検査を効率よく効果的に実施し、高い品質を維持する事に努めています。

品質の良い単管パイプをお探しであれば、当社の単管パイプをご検討頂くと共に、ぜひ実際に現物を確かめてみてください。お見積もりは無料で承っておりますので、以下のフォームからお気軽にお問い合わせいただければ幸いです。

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今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。当社では、引き続き皆さまの為になりお役立ちにつながる情報をお伝えしてまいります。今後とも何卒宜しくお願いいたします。


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