2024.06.12

”杭”選びのポイントは何?!”杭打ち”による実証実験からの当社の見解・考察。

単管パイプでフェンス等を設置する場合には、目的や設置場所に応じてシッカリと用途にあった”杭”を正しく選び、できるだけコストを抑えつつも、打ち込み易い事が理想です。

しかし、”杭”には実に様々な種類があり、どの”杭”をどんな基準を踏まえて選んで良いか分からないと思っている方が多くいらっしゃるのではないでしょうか?

そこで今回は、私たちが独自で様々な種類の”杭”を打ち込んでみた上での見解・考察をご紹介します。

6種類の”杭”についてその"価格"及び"施工性"と"再利用の可否"の3つについて比較してみましたので、皆さんがDIY等でフェンスを設置する際の参考にしていただければ幸いです。

使用した杭の種類

今回使用した”杭”は、2024年5月に近隣のホームセンターやECサイトのモノタロウで購入し、以下の6種類を用意しました。

 

木製杭_240530

 

 

B.キャップ溶接_240530

 

①φ45の木製杭  ¥398

②単管パイプ杭 (熔接加工) ¥1,580

先端潰し加工_240530

 

ミサイルキャップ_240530

 

③単管パイプ杭 (先端潰し加工) ¥1,480

 

④単管パイプ + ミサイル + キャップ

"単管パイプ ¥698" + "ミサイル ¥256"
+ "
キャップ ¥128"+  = 合計 ¥1,082

B.くい丸_240530

 

単管パイプ(ポストジンク)_240530

 

⑤くい丸 ¥3,500(モノタロウで購入 送料込) ⑥単管パイプ ¥698

杭打ちの実証実験

今回の”杭打ち”の実証実験は、当社敷地内のやや砂利まじりの土がある場所で実施しました。

打ち込みには、鉄製の2kgある大ハンマーを道具として使用し、”杭”の先端から500mmの部分に印を付けて、そこまで打ち込んで終了として、打ち込む際の打ちやすさや気付きを確認する事にしました。

打ち込む際に、助手が”杭”を持つのは危険と判断して、打ち込む前に軽く叩いて倒れない程度にしてから打ち込んでいきました。

B.試し打ち_240607

①φ45の木製杭の結果 

B.木製杭 破損_240607

  1. 木製なので、叩く部分の破損が有りました。また打ち込んでいる際に斜めになってしまいました。
  2. 引き抜く際にハンマーで根本部分を叩いているうちに杭が折れてしまいました。
  3. 再利用はできませんでした。

②単管パイプ杭 (溶接加工)の結果

B.2単管パイプ(杭加工)_240607

  1. 先端部分に尖った円錐状の部品と、叩く部分に平らなキャップが溶接されているので、比較的打ちやすいと感じました。
  2. 先端部分のダメージは無く、叩いた部分もほぼダメージはありませんでした。
  3. 再利用は可能です。

③単管パイプ杭 (先端潰し加工)の結果

B.3単管パイプ(先端潰し加工)_240607

  1. 先端の潰し加工により土中に入り易かったが、叩く部分が単管の管端そのものである為、叩く間にかなり変形してしまいました。
  2. 先端部分は特に問題ないですが、叩いた部分は大きく変形してしまいました。
  3. 再利用は難しいです。

④単管パイプ+ミサイル+キャップの結果

B.4単管パイプ(ミサイル+キャップ付き)_240607

  1. 単管パイプの管端部分に差し込むだけで手軽ですが、差し込んで持ち運ぶと何度か外れてしまいました。
  2. 引き抜いた際には、先端のミサイルが土中に残ってしまい、叩いたキャップは変形してしまいました。
  3. 再利用は難しいです。

⑤くい丸の結果

B.5くい丸_240607

  1. 先端のテーパー加工部分がなだらかな為、打込み時の負担が少なく、効率良く打ち込むことができました。
  2. 先端部分も叩いた部分もダメージはありませんでした。
  3. 再利用は可能です。

⑥単管パイプの結果

単管パイプ杭打ち

打ち込む前に軽く叩いても、土の中に刺さらないので、大ハンマーで打ち込む事ができませんでした。

実験結果のまとめ

私たちなりの見解・考察を加え、各杭の実験結果をまとめると以下のようになります。

種類 値段 施工性

再利用

見解・考察
① φ45の木製杭 ¥398 × 価格は低いが強度も低く折れ易い為、柔らかい地盤で使用する、先に穴を掘る等の対処が必要。

② 単管パイプ杭
     (溶接加工)

¥1,580

価格/施工性も一般向けには遜色がなく、再利用も可能だが、活用を繰り返す際の耐久性は要検証。

③ 単管パイプ杭
     (先端潰し加工)
¥1,480 × 価格は多少安く施工性もソコソコだが、一回の施工で叩く部分が変形する為、再利用は難しい。
④ 単管パイプ+ミサイル+キャップ ¥1,082 × 価格は更に安く施工性も卒なく、叩く部分の変形はないが、先端部分が外れ易く再利用は難しい。
⑤ くい丸(φ48.6) ¥3,500※ 価格は高いが極めて施工性にすぐれ、再利用を繰り返すプロ向けにも全く問題がなく高性能。
⑥ 単管パイプ ¥698 × × 価格はかなり低いが、そもそも打込みが不可能で基本的な施工性も満たせず、実用に堪えなかった。

※モノタロウにて購入(送料込み)

実証実験を行う場所がほぼ全て土で、大ハンマーを使った作業だったこともあって、単管パイプ以外では”打込み”自体にはあまり大きな性能差を感じませんでした。

しかし、”杭”の先端部分や叩く部分の加工の有無やそのやり方次第で作業性が少なからず変わり、”打込み”後の形状や景観性及び再利用への影響が大きくなることが確認できました。

そういった中でも”くい丸”は、何度も”打込み”と”引き抜き”を繰り返す上で作業効率をトコトン追求されている印象で、施工性や再利用といった機能性では大きく先行している印象がありました。

株式会社くい丸の公式HPでは、"くい丸"の詳細な仕様等が記載されていますので、以下のリンクよりご確認下さい。
リンク:株式会社くい丸HP_くい丸®って何?

更に安全に作業するには?

今回の様に”杭”を大ハンマーで打ち込む場合、真上から打ち込まないと”杭”が斜めになってしまい、機能/景観の両面で十分なパフォーマンスを得られません。

また、空振りして自身や周囲の作業者が危険に晒される事や柄の部分で杭を打ってしまうと大ハンマーが破損する可能性もありますので、慣れない方が作業を行う場合には、注意が必要です。

大ハンマーの扱いに慣れない方は、以下のようなAmazonやモノタロウなどのECサイトで購入できる"杭打ち器"の活用もオススメです。

杭打ち器_240530

”杭打ち器”とは、上記の写真の様に打ち込む”杭”の上部に被せ、上下にスライドることで”杭”を打ち込む道具です。ハンマーの様に、打ち込む作業を行う際に、叩く部分を外す事がなくなり、安全に作業することができます。

B.杭打ち器使用_240607

まとめ

今回は、私たちが様々な種類の”杭”を用いた”打込み”の実証実験を独自に行い、価格・施工性・再利用を評価軸にしてその性能を比較した見解・考察をご紹介させていただきました。

今回実験に使用した鋼製の”杭”は全て単管パイプと同じ48.6mmの外径になっていますので、杭として打ち込んだ後に、クランプを使用して単管パイプと簡単に結合する事が可能です。単管パイプを使用してフェンスや看板を設置する場合や各種構造物を補強する場合の参考にしていただければ幸いです。

また当社は、様々な形で”杭”を扱っていらっしゃる方々とお取引をさせていただいていますので、単管パイプを取り扱う販売代理店さまと同様にご紹介が可能です。もし"杭"や”単管パイプ”のご購入を検討されている場合は、是非お気軽にお声掛けください。

お問合せはこちら︎

最後までお読みいただき、感謝申し上げます。私たちは引き続き皆さまの"為になるお役立ち"の情報を発信して参りますので、今後とも何卒よろしくお願いいたします。ありがとうございました。


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