2022.06.15

白サビ防止の備えは今から!!オススメの管理方法ともしもの時の対処方法について。

06月に入って早々に関東甲信地方に於いて梅雨入り宣言が発表され、いよいよ雨のシーズンが到来しました。今後は本格的な夏に向けて、降雨だけではなく気温や湿度も日増しに高くなり、いわゆる高温多湿な時期がやってきます。

そのような中で、亜鉛メッキ製品を取扱う私たちは、その保管や管理の方法に、より一層の注意を払うことが必要となります。特に皆さまも亜鉛メッキ製品の表面に発生する"白サビ"については、これからの時期に気を遣われる事が多くなるのではないでしょうか。

以前のブログでもご紹介させていただいたとおり、"白サビ"自体は製品自体の美観は損ねるものの、耐食性には影響はありませんが、長期にわたって放置したままにしておくと"赤サビ"を発生させる可能性もあり、経済的な損失を伴ってしまう場合もあります。

そこで今回は、改めて"白サビ"について簡単にご説明させていただいた上で、当社が実践している”白サビ”を防止する為のおすすめの管理方法と、”白サビ”が起こってしまった際の対処方法について具体的にご紹介させていただきたいと思います。

白サビとは?

白サビ”とは”亜鉛のサビ”のことで、主に水分と空気が要因となって亜鉛が酸化し、亜鉛メッキの表面にチョークの粉の様な白い粉末状に発生したサビを示します。

白サビ-イメージ

よくお客さまから「”白サビ”は”赤サビ”と同じく、鉄を腐食させてしまう害のあるサビなの?」とご質問をいただきますが、”白サビ”は鉄が腐食してしまっている状態の”赤サビ”とは異なり、亜鉛のサビによって鉄を腐食から守る為に作用する保護膜の役割も担っており、逆に”赤サビ”の発生を遅らせる効果があると言われています。 

詳しくは以前のブログ記事に於きまして”白サビ”の”メカニズム”と”特性”をご紹介しておりますので、以下のリンクよりご参考いただければ幸いです。

 ブログ:白サビって何?!発生のメカニズムと見掛け程悪くない耐食性への影響。

当社が実践している亜鉛メッキ製品の管理方法について

一般的に、サビは水分と空気によって発生する為、雨や湿気には注意されている方も多くいらっしゃるかと思います。

しかし、雨や湿気以外にも実は強酸性物質/強アルカリ性物質/有機酸/食塩等が亜鉛の表面に付着する事で、”白サビ”はより発生し易くなります。

そのような事態を避ける為にも、亜鉛メッキ製品を管理する上で以下の8つに気を付けることで、比較的”白サビ”発生を減少させることができます。

管理方法

  1. 通風の良い屋内で保管をする。また風通しが悪い場合は、扇風機や空調機等を使用して、風通しを良くする。
  2. 板木等を使用して亜鉛メッキ製品を地面と十分に離し、通風が良い場所で保管をする。
  3. 亜鉛メッキ製品の結束を解き、亜鉛メッキ製品同士の間を空けることで、水捌けや風通しを良くする。
  4. 積重ねなど、接触面が多いモノは、雨中の荷役や運搬を避ける。
  5. 近くに酸/アルカリ/塩化ナトリウム/塩化カルシウムなどの化学物質を置かない。
  6. 海岸地域での保管の場合は、海水の飛沫や海塩粒子が飛来し、亜鉛メッキ製品に付着する為、シート掛けをし、定期的な確認および乾いた布で表面の拭取りを行う。
  7. 屋外保管の場合は、水溜りが出来にくく、水捌けの良い場所で保管をする。
  8. 屋外保管の場合、雨天時はメッキ製品に直接シートが接触しないようにして完全に覆い、晴天になったら速やかにシートを外す。

一方で、「自身の保管場所が適切かどうか分からない」と不安に思われている方もいらっしゃるかと思います。

そこで、皆さまの保管環境が亜鉛メッキ製品を管理する上で、白サビが発生しにくいかどうかを確認できる様に、当社が実践している項目をチェックリストシートにしましたので、以下のダウンロードフォームよりご活用いただければ幸いです。

新聞記事ダウンロードはこちら

もしご自身の保管場所の項目に、1つでも”いいえ”にチェックが入る場合は、白サビが発生する可能性が高まりますので、上記8つの管理方法を再度ご確認いただきまして、お試しいただければ幸いです。

また、どうしても上記内容に沿った管理方法を保つことが難しい場合には、本ブログ最終段のフォームをご利用いただきましてご遠慮なくお問い合わせください。

白サビが発生した時の適切な対処方法は?

しかし、上記の様な対策を講じていても、天候の影響などで白サビが発生する場合もあります。そう言った場合には、適切に対処していただくことで、大きな損失につながることを防ぐことができますが、対処方法につきましては"白サビ"が発生したばかりの初期の段階や、進行して亜鉛メッキの表面が腐食されてしまった末期の段階など、進捗具合によってその方法が大きく異なります。

初期の場合は、濡れた布と乾いた布で拭き取って乾燥させ、上記で示した適切な管理を実行していただくことで"白サビ"の進行を一定レベルで抑えることができますが、末期の場合は拭き取り等では”白サビ”を落とすことができず、外観もかなり悪い状態になります。

そのような場合は、市販で売っているサビ落としの製品やワイヤーブラシ/サンドペーパー/スチールウール等で軽く擦った後にジンクリッチペイントで補修塗装をすることで、見た目の改善および亜鉛メッキ製品の耐食性を伸ばすことが可能になります。

詳しくは以前に白サビ落としの検証実験を行いご紹介したブログ記事がございますので、是非ご参考にしていただければ幸いです。

 ブログ:サビ落としはドコまで効く?!白サビ除去の効果検証について。

まとめ

今回は、"白サビ"について簡単におさらいをした上で、予防の為の的確な管理方法と発生を避けられなかった場合の対処方法をご紹介させていただきました。

冒頭でも述べましたが、"白サビ"はそもそも"赤サビ"の発生を防ぐ効果を持っていますが、そのまま放置する事で"赤サビ"が発生し、具体的な経済損失につながる可能性も十分に考えられますので、そう様な状況をできるだけ避けるためにも、今回ご紹介させていただいたチェックリストを有効活用いただければ幸いです。

また長期間に渡って亜鉛メッキ製品を保管をされる場合は、屋内/屋外にかかわらず定期的に”白サビ”が発生していないかを確認して早期発見に繋げ、必要に応じて適切な対処を講じることがとても大切です。

万が一、"白サビ"が発生した場合には、落ち着いて対処していただければと思いますが、やはり不安や懸念を抱かれる方も多いかと思います。その際にはご遠慮なく、以下のフォームよりご相談ください。当社の品質保証担当者よりご連絡、ご説明をさせていただきます。最後まで読んでいただきありがとうございました。

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