2022.05.18

スーパーライト700で運送コストを削減!?TCOの取組について。

”単管パイプ”を扱う軽仮設リース業者さまや足場の組立を行う業者さまは、購入時に発生する短期的なコストのみならず、購入から廃棄までの長期的なコストを検証した上で、”単管パイプ”を購入することが実質的な経済性を実現する上で重要です。

しかし、計画購入や先々大型案件の目処が立った購入タイミングでは、比較的長期的な視点でコストの検証を行い易いですが、都度少量の単管パイプを購入する際等は、どうしても直接費用となる”イニシャルコスト”である価格が重視され易く、運用・保守/管理/廃棄の費用などの間接費用は、”ランニングコスト”として見落とし易いことが課題になります。

そこで今回は、”単管パイプに関連する”ランニングコスト”の例を挙げた上で、軽量単管パイプ”スーパーライト700”を活用した”TCO”の削減について、私たちの見解と提案をご紹介させていただければと思います。

 
 
 

TCOとは?

"TCO"とは、"総所有コスト"の英語表記である"Total Cost of Ownership"の略で、製品やシステムを購入してから廃棄するまでの期間に発生するすべてのコストの総額のことです。

製品・サービスの購入費用やソフトウェアの導入費の際に、購入費用やシステム開発費などの直接費用である”イニシャルコスト”だけでなく、運用/管理/サポートに係る人件費や廃棄費用などの間接費用である”ランニングコスト”を含めたTCOを把握する事で、長期的な視点での費用対効果を踏まえたより効果的な投資判断が可能になります。

単管パイプに関連する”ランニングコスト”の例として、機材置き場における荷下ろしや整備作業などで作業者が単管パイプを運ぶ作業時間にかかる"作業コスト"や機材置き場から現場までトラックで運ぶ時に発生する"運送コスト"、単管パイプが矯正できない程変形した場合に廃棄する損失をコストとして表した"滅失コスト"などが挙げられます。

軽量単管パイプ”スーパーライト700”について

今までお伝えしたきたとおり”スーパーライト700”は、従来のSTK500という鋼材で製造された単管パイプに比べて引張り強さが40%高い700Nのハイテン鋼材の特徴を活かし、肉厚を2.4㎜から1.8㎜に薄くする事で25%の軽量化を実現した、強靭かつ軽い画期的な単管パイプです。

パイプ画像-SL700

25%軽量化を具体的な例を挙げてお話しさせていただくと、従来の単管パイプは4m1本で10.9kgの重さがあり3本で32.7kgになりますが、軽量単管パイプ”スーパーライト700”は4m1本で8.3kgの重さの為、3本で25kgと従来品と比べると約8kgも軽量化されている事になります。

SL700-作業負担軽減-軽量化

更に軽量単管パイプ”スーパーライト700”について詳しく知りたい方は、下記製品ページにてご説明しておりますので、ご参考いただければ幸いです。

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軽量単管パイプ”スーパーライト700”で作業コストを削減!

”作業コスト”に着目した場合、軽量単管パイプ”スーパーライト700”を使用することで25%軽量化による作業者の効率がアップし単管パイプに関連する荷下ろしや整備作業の人件費を削減する事ができます。

作業時間の短縮

4mの単管パイプを作業者が運搬する事を想定した場合、従来の単管パイプは2本で20kgを超える重さになるため、足腰への負担を考えると、2本ずつ運び続けるのは困難ですが、スーパーライト700の場合は2本で16.6kgなので2本ずつ運び易くなり、作業時間は平均23.5%(当社実験結果)短縮する事が可能です。

[JP][Blog]TOC作業コスト1

作業時間の短縮による作業コストの削減

以下では、年間物件数を360件、平均作業者数を2人とした場合をモデルケースとして、年間の作業コストをザックリと試算した計算例をご紹介します。

  • モデルケース
    年間物件数 =  360件
    1回あたり平均作業日数 = 0.5日
    平均作業者数 = 2人
    1人・1日あたり作業費 = 40,000円/人日
    軽量化により改善される作業時間 = 平均23.5%

上記のモデルケースの場合、従来の単管パイプは年間で作業コストが1,440万円かかります。

  • 従来の単管パイプ(48.6㎜ × 2.4㎜)の場合 
    360件 x 0.5日 x 2人 =  360人日
    360人日 x 40,000円/人日 = 14,400,000円

一方で保有する全ての単管パイプが”スーパーライト700”に置き換わったと想定した場合、軽量化により作業時間が平均23.5%改善されるため、同条件での計算では年間で作業コストが1,102万円となります。

  • 軽量単管パイプ”スーパーライト700”(48.6㎜ × 1.8㎜)の場合
    360件 x 0.5日 x 2人 x ( 1 -  23.5%) =  275.4人日
    275.4人日 x 40,000円/人日 ≒ 11,02,000円

この結果を踏まえると、従来材と比べ軽量単管パイプ”スーパーライト700”へ置き換えることで、年間338万円の作業コストを削減できます。つまり、単管パイプの25%軽量化により作業コストは23.5%削減することが可能です。

[JP][Blog]TCO作業コスト2

軽量単管パイプ”スーパーライト700”で運送コストを削減!

続いて、”運送コスト”に注目した場合、軽量単管パイプ”スーパーライト700”を使用することで25%軽量化による”運送コスト”の削減を輸送車両台数の削減等で実現する事が可能となります。

トラック台数の削減

トラックで輸送することを想定した場合、10t車1台で運べる4mの従来の単管パイプの本数は900本で、3,600本を運ぶとすると4台必要になります。一方で”スーパーライト700”ではなんと、10t車1台で運べる4mの単管パイプの本数が1,200本の為、同じ3,600本を運ぶとすると3台のトラックで済み、1台分を削減をすることができます。

TCO トラック台数

トラック台数削減に伴う運送コストの削減

以下では1,465,200mの単管パイプを保有している場合をモデルケースとして、年間の”運送コスト”をザックリと試算した計算例をご紹介します。

  • モデルケース
     単管パイプの保有量   = 1,465,200m (従来管4,000t相当)
     単管パイプの年間回転数 = 4.5回転
     10t車による運送費     = 35,000円

上記のモデルケースの場合、従来の単管パイプは年間で運送費が6,300万円かかります。

  • 従来の単管パイプ(48.6㎜ × 2.4㎜)の場合
     1,465,200m × 2.73kg ÷ 10,000kg = 400台
     400台 × 4.5回転 = 1,800台
     1,800台 × 35,000円 = 6,300万円

一方で保有する全ての単管パイプが”スーパーライト700”に置き換わったと想定した場合、従来の単管パイプに比べ25%軽量化されているので、同条件での計算では運送費=4,725万円となります。

  • 軽量単管パイプ”スーパーライト700”(48.6㎜ × 1.8㎜)の場合
     1,465,200m × 2.73  × 0.75 ÷ 10,000kg
    = 300台
     300台 × 4.5回転 = 1,350台
     1,350台 × 35,000円 = 4,725万円

この結果を踏まえると、従来材と比べ軽量単管パイプ”スーパーライト700”へ置き換えることで、年間1,575万円の”運送コスト”を削減できます。つまり、単管パイプの25%軽量化により”運送コスト”も約25%削減することが可能です。

TCO 運送コスト

軽量単管パイプ”スーパーライト700”で滅失コストを削減!

最後に、”滅失コスト”に注目した場合、軽量単管パイプ”スーパーライト700”を使用することでハイテン化による”滅失コスト”の削減を製品寿命の延長で実現する事が可能となります。

滅失率の削減

”スーパーライト700”は、従来の単管パイプと比べて1.4倍の強度があります。従来の単管パイプの滅失率を6.0%で滅失率の改善度が最大荷重に比例すると仮定すると、スーパーライト700の滅失率は5.6%となり滅失率を0.4%改善することができます。

[JP][Blog]TCO滅失コスト1

滅失コストの削減

以下では1,465,200mの単管パイプを保有している場合をモデルケースとして、年間の”滅失コスト”をザックリと試算した計算例をご紹介します。

  • モデルケース
    単管パイプの保有量   = 1,465,200m (従来管4,000t相当)
    従来の単管パイプの滅失率 = 6.0%
    スーパーライト700の滅失率 = 5.6%
    価格 = 2,000円/4m管

上記のモデルケースの場合、従来の単管パイプは年間で”滅失コスト”が4,396万円発生します。

  • 従来の単管パイプ(48.6㎜ × 2.4㎜)の場合
     1,465,200m × 6% = 87,912m
     87,912m  x  2,000円   ÷ 4m = 43,956,000円 

 

一方で保有する全ての単管パイプが”スーパーライト700”に置き換わったと想定した場合、従来の単管パイプに比べ滅失率を0.4%改善することができるので、同条件での計算では発生する”滅失コスト” = 4,103万円となります。

  • 軽量単管パイプ”スーパーライト700”(48.6㎜ × 1.8㎜)の場合
     1,465,200m × 5.6% = 82,051m
     82,051m  x  2,000円 ÷ 4m = 41,025,500円 

この結果を踏まえると、従来材と比べスーパーライト700へ置き換えることで、年間293万円の”滅失コスト”を削減できます。

まとめ

今回は、単管パイプに関連する”ランニングコスト”の例を具体的に示したうえで、軽量単管パイプ”スーパーライト700”を活用して”TCO”を削減する取組について、私たちの見解と提案をご紹介しました。

従来材から軽量単管パイプ”スーパーライト700”に切り替えた場合には、様々なシーンで”ランニングコスト”を削減することが可能となり、更に加えて急速に進む人手不足の軽減や日々課題が膨らんでいる環境問題への対応も可能です。

また”スーパーライト700”は従来の単管パイプと長さ/本数当たりの価格は基本同じに設定されていますので、此等のメリットはすべて購入された方が経済的に享受できる訳です。

 

TCO

また更に”スーパーライト700”や”STX”を使った”TCO”に関してもっと知りたいと、具体的に取組んでみたいと思われる方は、お気軽に当社までお問い合わせいただければ幸いです。何卒宜しくお願い申し上げます。ありがとうございました。

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執筆者紹介

大和鋼管工業株式会社
大和鋼管工業株式会社
単管パイプや農業資材を始めとするメッキパイプの製造メーカー。創業93年の製造実績と技術的知見を複数の専門部署が結集し、製品の選定から現場での活用法、最新の業界動向までを網羅。組織的な裏付けのもと、読者の業務に直結する正確で実用的な情報を発信。

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