近年施設園芸では、
しかし、一般的に”パイプハウス”は鉄骨ハウスと比べて強度が低く、如何にコストを下げながら風や雪に堪えられる"パイプハウス”を実現するかという意味で、使用される資材の”ハイテン化"の重要性が増しています。
このような課題を解決する為に私たちは、独自で積雪50cm/風速50m/sに耐えられるパイプハウス"STX(エスティーエックス)ハウス"の企画・設計に挑戦しました。私たちの”STXハウス”についてご興味のある方がいらっしゃいましたら、以下のブログを参考にしてください。
大和鋼管ブログ:”STXハウス”は風速50mに耐えうるパイプハウス!?”低コスト耐候性ハウス”と”施設園芸協会の安全構造診断”も含めて詳しく解説。
今回は、なぜ”パイプハウス”に"ハイテン化”が求められるのか?
背景①地球規模の気候変動
1つ目の背景は、地球規模の気候変動により施設園芸の必要性が高まっているからです。
以下の"日本の平均気温偏差を経年変化で表したグラフ"を見ると、日本の年平均気温は100年でおよそ1.28°の割合で、上昇している事が分かります。
さらに以下のグラフは1時間あたりの降水量が、50mm以上の大雨災害の年間発生回数を表していますが、その発生回数も年間増加の傾向にあります。
これらの事から、安定して作物を収穫するためには、気候変化に依存せず、気温や大雨等の変化に対応する事ができる"施設園芸"の重要性が増していると私たちは考えています。
背景②環境制御技術の発展
続いて2つ目の背景は、環境制御技術の発展で施設園芸に求められる施設の強靭化が必要な為です。
"炭酸ガス発生器"や"加温設備"、"灌漑設備"など、環境を制御する事で作物の生産性を向上させる技術が向上していますが、その一方で、生産に必要なコストは増えた為、ガラス温室やパイプハウスの倒壊の際に発生する経済的なリスクも増加しました。
このような背景から、ガラス温室や”パイプハウス”等の施設園芸に使用する生産施設は、更なる強靭性が求められるようになり、自ずとその構造を支える資材の”ハイテン化”のニーズも高まっている訳です。
背景③資材の高騰
3つ目の背景は資材が高騰していて施設への投資が縮小している為です。
以下は鉄骨ハウスや”パイプハウス”に使用される主な資材である"鋼管"と"塩化ビニル樹脂"の価格推移を表しています。以下のグラフを見ると2020年の年始から価格は高騰し、現在の価格はおよそ1.4倍になっている事が分かります。
鋼管の価格推移
塩化ビニル樹脂の価格推移
ここで、ご紹介している鋼管や塩化ビニル樹脂の他にも、作物の育成に必要な「肥料」や「農薬」の生産資材も同様に高騰しています。このように様々な資材の値段が上がっている状況の中、作物の値段は思うように上がらず収入が増えないので、設備への投資は縮小している状況となっています。
このような状況のため、現在は鉄骨ハウスよりもコストを抑えられる”パイプハウス”が注目され、更にその”パイプハウス”の資材の数を減らす事が可能になる”ハイテン化”に期待が高まっていると私たちは考えています。
背景④職人不足
4つ目は、鉄骨ハウスや”パイプハウス”を施工する職人の不足です。
現在、日本は少子高齢化で人口が減少しています。以下は日本の人口の推移を表したグラフですが、15歳以上65歳未満の年齢層の人口を示す生産年齢人口は減少している事が分かります。
引用:https://biz.teachme.jp/blog/working-population/
このような状況の中、同じ面積の園芸用施設を施工する場合、鉄骨ハウスよりも”パイプハウス”の方が一般的に少ない人工で対応することができ、更に”ハイテン化”によって更に効率を上げられる点が注目されています。
まとめ
今回は、なぜ”パイプハウス”に”ハイテン化”が求められるのか?
私たちが挑戦した低コスト耐候性ハウス”STXハウス”の取り組みについて見積が欲しい企業農家さまや農家さまがいらっしゃいましたら、当社が最寄りの農業資材販売店さまをご紹介いたしますので、以下のフォームより気軽にご相談ください。
最後までお読みいただき感謝申し上げます。
これからも皆さまの"為になり、役に立つ"情報を様々な角度から提供して参りますので、引続きよろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。
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