2024.10.30

”単管パイプ”の強度ってどんな感じ?!身近にある物を使って行った強度比較実験の内容及び結果と考察。

"メッキパイプ"を使われる方にとっては、折れてしまったり、大きく曲がったりすることのない丈夫なパイプを入手し、可能な限り長い時間活用できる事が経済的に極めて重要です。

私たちはこれまでにブログを通じて、"単管パイプ"や"STX"の強度についての実験結果やグラフ等を紹介してきましたが、数字を見ただけでは本当に丈夫なのかどうかがよく分からない、と思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか?

参考ブログ:単管パイプの強度や如何に?!単管パイプ・ 軽量単管パイプが耐えうる重量の目安について。  
      スーパーライト700の座屈強度は大丈夫?!単管足場として実大実験の結果と考察について。    
                       ハイテン鋼管の基準強度/許容応力度とは?!メリットを産み出す為に必要な正しい知識。

そこで今回は、当社製の肉厚2.4mmの従来単管パイプ”ポストジンクと、肉厚1.8mmの軽量単管パイプ"スーパーライト700"の2種類を対象に、身近にある物を使って行った3つの強度比較実験の内容と、その結果及び私たちの考察をご紹介します。

パイプ画像-SL700

強度実験① 鉄製ハンマーで叩く

先ずはシンプルに3.6kgある鉄製の大ハンマーで、それぞれの単管パイプの中央部分を叩き、その変化の状態を確認し比較してみました。

実験対象:

直径48.6mmx肉厚2.4mmx長さ4.0mで重量10.9kgの従来単管パイプ  "ポストジンク”
直径48.6mmx肉厚1.8mmx長さ4.0mで重量8.32kgの軽量単管パイプ  ”スーパーライト700"

使用物・器具:

大ハンマー(3.6kg)・ 60x60x2.3x1.0mの角パイプ・ ノギス・ 水糸

実験方法: 
  1. アスファルトの地面上に、60x60x1.0mの角パイプを2.0m間隔をあけて置く。
  2. その上に従来単管パイプ 、またはスーパーライト700を配置する。
  3. 周囲をよく確認してパイプの中央部分を強く大ハンマーで叩く。
  4. メッキパイプの状態の変化を確認する。
観察点:
  • パイプがどのように変化するのか?
  • パイプは曲がるのか?曲がった場合にはどの様な状態になるのか?

[JP]強度実験1



[JP]強度実験3

結果:

  • パイプの変化に関しては、従来単管パイプ スーパーライト700ともに、ハンマーで叩いた部分が大きく凹んだ。

  • 曲がりに関しては、従来単管パイプ の場合は、凹んだ部分を中心として全体的に弓なリに15.20mmの曲がりが発生したが、スーパーライト700の場合は、一部分で1.74mmの曲がりが発生したのみだった。

考察:

  • スーパーライト700の方が曲がり具合が小さいのは、素材の強度が高いため、衝撃への耐性も高いためだと推測。

  • 一方で従来単管パイプ は、局部的な変形だけでは衝撃を吸収できず曲がってしまったと考えられる。

強度実験② 高所から落とす

次にそれぞれの単管パイプを実際に高所から落下させてみて、その状態の変化を確認し比較してみました。

実験対象:

直径48.6mmx肉厚2.4mmx長さ4.0mで重量10.9kgの従来単管パイプ  "ポストジンク”
直径48.6mmx肉厚1.8mmx長さ4.0mで重量8.32kgの軽量単管パイプ  ”スーパーライト700"

使用物・器具:

高所作業用作業台(高さ3.35m)・ 60x60x2.3x1.0mの角パイプ・ ノギス・ 水糸

実験方法: 
  1. 作業台(高さ3.35m)から、周囲をよく確認して地面に平行に1本ずつパイプを落とす。
  2. この時、安全を考慮して作業者は"フルハーネス"を装着する。
観察点:
  • パイプがどのように変化するのか?
  • パイプは曲がるのか?曲がった場合にはどの様な状態になるのか?


[JP]強度実験4

結果:

  • 従来単管パイプ スーパーライト700共に凹みなどの変形はなかった。

  • 曲がりに関しては、従来単管パイプは16.58mm、スーパーライト700は15.46mmの曲がりが発生した。

  • 曲がりの発生場所については、落下したパイプが地面に当たった管端部分周辺を中心に発生した。  

考察:

  • ハンマーによる打撃に比べて局所的な衝撃ではなく、自重により広い範囲に衝撃が加わったと考えられる。

強度実験③ パイプの上を車で走行する

最後にそれぞれの単管パイプを実際に乗用車で轢いてみて、その状態の変化を確認・比較してみました。

実験対象: 直径48.6mmx肉厚2.4mmx長さ4.0mで重量10.9kgの従来単管パイプ  "ポストジンク”
直径48.6mmx肉厚1.8mmx長さ4.0mで重量8.32kgの軽量単管パイプ  ”スーパーライト700"
使用物・器具: 乗用車・(4WD/1,990kg)・ノギス・水糸
実験方法: 
  1. ユックリだとパイプが回転して乗り越えられないので、安全に十分配慮しパイプの上を勢い良く走行する。
観察点:
  • パイプがどのように変化するのか?
  • パイプは曲がるのか?曲がった場合にはどの様な状態になるのか?

[JP]強度実験6

[JP]強度実験5

結果:

  • 従来単管パイプスーパーライト700共にキズが入った。

  • 曲がりに関しては、従来単管パイプでは1.13mm、スーパーライト700では3.84mmと、いずれも僅かに曲がりが発生した。

考察:

  • 曲がりが殆ど発生しなかったのは、タイヤの前輪も後輪も左右同時に乗り越えたことが影響していると推測した。

まとめ

今回は、当社製の従来単管パイプ”ポストジンク”と軽量単管パイプ”スーパーライト700”の2種類を、身近にある物を使って行った3つの強度比較実験の内容と、その結果及び考察をご紹介しました。

この結果・考察を踏まえて、何れの"単管パイプ"も大きな衝撃が加わっても簡単には折れることはなく、極めて丈夫で十分に安心して使用できると共に、それぞれの性能に応じて多少パフォーマンスが異なる事をご理解いただければ幸いです。

また軽量単管パイプは、従来単管パイプと比較して決して"弱い"という事はなく、同等以上の耐久性がある事を今回の実験をとおして実感していただけたのではないでしょうか?

そして今回の実験で使用した軽量単管パイプ"スーパーライト700"は、当社と日本製鉄株式会社が共同開発し、鋼管の特性としては相反する"軽量"且つ"強靭"という二つの要素を見事に両立させた軽量足場用鋼管/単管パイプです。

"スーパーライト700"について詳しく知りたい方は、以下のフォームより無料でカタログをダウンロードできますので、ぜひご活用ください。

[JP][CTA][Blog]SL700資料DL20240821

最後までお読みいただき感謝申しあげます。当社では、引き続きお客さまの為になり、役に立つ記事を、積極的に配信して参ります。これからも宜しくお願いいたします。ありがとうございました。

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