6月後半で気温も高い日も多くなり、夏を感じさせるような時期になってきましたが、まだまだコロナ禍ということもありマスクの着用で息苦しい夏となりそうです。
また国内だけでなく海外でも新型コロナウイルスの影響もあり、なかなか国外へ足を運べない環境が続いていますが、職場接種も含めワクチンの普及は急速に進んでおり、更に自由度が増す事にも期待が持てます。
その様な中、当社製品のSTXの性質を活かせないか海外の農家さんにも協力をいただいて実地試験を行なっています。今回はその内容も踏まえたSTXの新しい活用方法について、製品特性のおさらいも含め皆さまへご紹介させていただきます。
STXとは?
STX (エスティーエックス)とは、日本製鉄株式会社と大和鋼管が共同開発をした、従来材STK400に比べ約2倍の強度を持つしなやかで強靭な高張力鋼管の事で、また一般的にはハイテンパイプとも呼ばれる製品の一つです。
機械的性質である引張強さ/降伏点又は耐力/伸び及び設計基準強度はそれぞれ一般鋼管より約2倍以上高くなっています。
STXの歴史や詳しい情報については下記ブログでご紹介しておりますので、是非ご参考ください。
参考文献:ブログ_なるほど!!ハイテンパイプSTXの進化の歴史。
STXの特性
「しなやか?強靭?ってどういうことなの?」と疑問に思われる方もいらっしゃるかと思いますが、実際にどの様な特性なのかを下記で挙げましたので、参考にしていただければ幸いです。
- 台風・積雪等の自然災害にも耐える柔軟性に優れたしなやかなパイプ
STXは従来材 (STK400)と比べ最大曲げモーメントという”パイプが耐えられる最大の曲げる力”の数値が高く、曲げる力に対して総合的に強く柔軟性に優れている”しなやかなパイプ”です。
- 従来材比2倍の強度と柔軟性が産み出す復元力で、様々な用途や活用法
強度や柔軟性が従来材 (STK400)よりも高い為、雪や風でハウスが曲がっても除雪等をすれば元に戻ろうとする復元力があります。この復元力、つまり強靭さという特性を活かし、農業用ビニールハウスではアーチピッチを広げることでのトータルコスト削減や、アーチピッチを変えずに農業用ビニールハウスの全体的な強度を上げることができます。
つまり、”しなやか”というのは”柔軟性に優れている”こと、”強靭”は強度と柔軟性が産み出す”復元力がある”ことを指しています。
新しいSTXの活用法!?
現在、台湾で当社STXの性質を活かせないか実地試験をしているのが、”バナナの支柱”です。台風等の時期はバナナは実ると房が重くなる為、幹のしなりを支える強い支柱が必要となります。
従来、台湾では竹を支柱として使用されていたそうですが、環境配慮の問題もあり竹の焼却処分が出来なくなったことがきっかけで、台湾製パイプに遮光塗料を塗装したものを現在使用しています。
その様な中で当社のお客さまからのご紹介が切欠で台湾の農家さまにご協力をいただき、台風の通り道になることが多く台風被害が出やすいバナナの支柱として私たちのSTXがお役立ち出来ないか実地試験を行わせていただいています。
現状はまだ台湾への台風被害が少なく実地試験の結果はでておりませんが、今後は海外のお客さまにも為になるお役立ちが実現できる様、引き続き取り組んで参りたいと考えています。
まとめ
今回はSTXの性質を活かした新しい活用法についてご紹介しました。元々は農業用ビニールハウス用に製品開発を行った STXですが、最近ではシートシャッターや果樹支柱といった様々な活用をされるようになってきており、様々な可能性について改めて実感しています。
STXについて詳しく知りたいという方は、当社ホームページへ記載がございますので、下記よりご確認いただければ幸いです。何卒宜しくお願い申し上げます。ありがとうございました。
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